8月28日より映画『東京島』がいよいよ公開。『東京島』は桐野夏生の同名小説が原作。
旅の途中で嵐に遭い、夫とともに無人島に流れ着いた主人公「清子」が、同じく漂着した若い男たちに囲まれながら、過酷な無人島生活を生き抜いていく……といったストーリー。
このシチュエーションと、また、たった一人の女性「清子」がいわゆる“美女”ではなく、「島で一番太って」いて、年齢も40代という意表をつかれた設定に惹かれ、物語に夢中になった。この原作本は2008年5月に発売されたのだが、7月の段階で文庫ともに累計55万部と、大ヒットとなっている。

そんな『東京島』の映画も気になる! と公式サイトを何気なく見ていたら、「ワタナベTwitter(ツイッター)」なるものが目に飛び込んできた。「ワタナベ」とは物語の登場人物の一人。集団から離れて独りで暮らし、清子に敵対心をもち、会えば悪態を吐いてくる男。
ツイッターのプロフィールを見ると、名称「ワタナベ@東京島」、現在地「男23人、女ひとりの東京島」!? となっている。
「あのワタナベが!?」「まさか映画でワタナベ役を演じている窪塚洋介が!?」「ワタナベの口調でツイート!?」とギモンはおさまらないので、「ワタナベ@tokyojima」の「中の人」にいろいろ聞いてみることに。

――どうして「ワタナベ@tokyojima」を?
「連日行われる『東京島』のキャンペーンやイベント状況、キャストの皆さんの情報を、あえてワタナベ目線で面白おかしく映画ファンに発信するために立ち上げました」

――ただ、つぶやきはワタナベ口調ではなさそうですが……
「ワタナベの人格を意識しようとも思いましたが、公開前ということもあり、ワタナベについてご存じない方もいらっしゃいますので、わかりやすい口調にしています」
たしかに、認知されていないまま、ワタナベのように罵詈雑言を浴びせかけてきたら「ケンカうってんのか!?」なんてことにもなりそう。ただ、それはそれで“お約束”の範囲内で見てみたい気もするけど……。ちなみにツイートはもちろん!? 窪塚洋介ではなく、GAGA宣伝部の映画担当の方が1人で行っているそうだ。

――漂流者たちの人数などの設定以外で、原作と映画で特に異なるところはありますか
「大きな違いは、島の男性たちの心情でしょうか。
映画『東京島』に出てくる男子たちは色んな意味で草食系。どこかやる気がなく、あまり頑張って脱出しようとしません。原作ではもう少し攻防が見られるのですが、映画では“現代”を象徴したこのような設定になっています」
また、何よりも主人公「清子」を演じるのは木村多江と、原作とは年齢も容姿も異なるので、また、違った清子像を見られるだろう。

――映画で個人的にお気に入りのシーンは?
「ワタナベは良くも悪くも変わり者。そんなワタナベが言葉のまったくわからない中国人となぜか会話できてしまうシーンが傑作です!」

――映画で「ここを楽しんでほしい」ところは?
「こういうテーマですので、ぜひ『自分が東京島のような無人島でのシチュエーションに置かれたら』と考えながらみるとより面白くなるのでは。またあなたの周りの人も交えてそれぞれ妄想してみてはいかがでしょうか」
確かに自分のみならず、周りの人も「どんな行動をとるんだろう」と妄想するのは楽しいかも。


映画『東京島』は8月28日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて全国ロードショー。個人的に感動なのは、原作で清子のテーマ曲!? になっているキャロル・キングの名曲「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」がSuperflyのカバーで本当に映画の主題歌になっているところ。内容はもちろん、歌にも是非注目です。
(dskiwt)