毎日こんなに忙しいのに、思ったほど成果が上がっていない...。多くのビジネスパーソンが抱える悩みのひとつですね。何かがオカシイ気はするけれど、具体的に何をどう変えていけばいいのか?こちらでは、そんな状況を改善するためのヒントとして、集中力をグっと上げるコツについて採り上げてみたいと思います。

「Writing 2.0」系メディア「How To Get Focused」では、脳のメカニズムから、ヒトが集中するための方法について、以下のように述べています。

研究者によると、「マルチタスクは仕事の価値を50%下げ、必要な時間を50%も長くしてしまう」そうだ。そもそも、脳にとってマルチタスクは物理的に不可能。メールをしながら、片手間にチャットで応答し、さらにプレゼン資料を作るといった、一見マルチタスク風のこれらの行動は、実は「マルチタスク」ではなく、集中する対象をあちこち動かしているだけなのだ。

 私たちの意識では、以下の3つのフェーズが繰り返されているそうです。

  1. たとえば、「レポートを書こう」としたとき、血液は前頭皮質に急いで流れこみ、そこにある脳神経の「交換台」が「集中する対象が変わるぞ」という指令を出す。
  2. この指令が2種類の「電荷」を運ぶ。「書く」というタスクを実行するための、正しい神経を探すのに必要な「検索クエリ」と、神経に何をさせるか正しく伝達する「コマンド」だ。
  3. たとえば、レポートを書いているときにメール着信の通知に気づくと、意識は「書く」という状態から離脱し、フェーズ1に戻る

  4. この一連のプロセスは連続して起こるもので、同時には起こらない。つまり、ヒトはひとつのことしか集中できない仕組みになっているというわけだ。

では、私たちはどうすればよいのでしょうか?以下の8つがポイントになります。

  1. 気が散漫になるのを止めない限り、集中することはできない
    多くの人々は「マルチタスク」を志向しがちだが、これは集中するための手段ではない。
  2. 重要な仕事は1日1つまでにする
    ToDoリストには、多くのタスクがリストされ、これを同時にこなそうとしがちだが、「重要な仕事を1日1つだけやる」と決めて、これを実践するほうが、あまり重要でないものにアレコレ手をつけるより、成果が上がる。
  3. 仕事を3つのステップに分ける
    ひとつの仕事にノープランでいきなり取り掛かるより、まず小さなステップに分けて、ひとつひとつの段階を踏んで取り組んでいくと、効率的に成果を出すことができる。3つのステップにタスクを分けるシンプルなツールとしては『FocusList』(有償・7ドル)がオススメ。
  4. その仕事の意義を自分の脳に理解させる
    ヒトの脳は、ディテールの前に意味を処理する。つまり、取り組もうとしているものの意味や意義を、自分の脳にきちんと理解させないまま強引に進めようとすると、フラストレーションがたまる一方で、効率は上がらない。「これは本当にやる必要があるのか?」、「他の人に任せられないか?」を自身に問うてみること。
  5. 戦略的に「ラクをする」
    必要なことと、そうでないことをきちんと選択し、戦略的に「ラクをする」ことを心がけよう。そのためには、それぞれの仕事やタスクの意義、背景を正しく理解し、論理的に判断することが必要だ。
  6. 意識を「見える化」する
    気分が沈むときは、自分の意識を「マップ」にして可視化しよう。問題を解決に導くための「課題解決型マップ」は、課題の本質を掘り下げたり、解決策を具体的に展開して考えるのに有効だ。また、モヤモヤした不安や恐れがあるときは、「心配マップ」を作ってみよう。心配な要因を書き出し、予測される結果をあとにつなげていくのだ。こうすると、自分が感じている不安は、実際はそれほど深刻なことではないことに気づくだろう。
  7. 自分に「ご褒美」をあげる
    どうしても気乗りしない、アタマが働かないときはあるもの。そんなときは、コーヒーで一服したり、散歩するなどして、自分にご褒美をあげ、モチベーションを高めさせよう。
  8. 関心を持つ
    集中力は「才能」ではない。関心により集中が促され、関心は受け取り方や感じ方、態度から生じる。つまり、自分の感じ方から関心や好奇心、情熱がふくらめば、集中することはたやすいことなのだ。

いかがでしたか?

意外にヒトのアタマは、自分に都合よくできていないもの。なかなか言うことを聞いてくれない自分の脳をうまく手なづけ、ときに励まし、向き合い、コントロールすることこそ、セルフマネジメントのポイントなのかもしれませんね。

Things Everybody Ought to Know About Concentrating[How To Get Focused]

Whitson Gordon(原文/訳:松岡由希子)