金元工作員、めぐみさんと「1回食事」 新情報はなく
横田さん夫妻、面会3時間半
来日中の金賢姫(キム・ヒョンヒ)元北朝鮮工作員(48)と21日に初めて面会した拉致被害者、横田めぐみさん(失跡当時13)の父、滋さん(77)と母、早紀江さん(74)は22日午前、長野県軽井沢町で記者会見した。金元工作員がめぐみさんに会ったのは1回だけで、めぐみさんの消息に関する新たな情報はなかったことを明らかにした。
金元工作員は22日午前、20日から滞在していた軽井沢町の鳩山由紀夫前首相の別荘を車で離れ、東京都調布市の調布飛行場でヘリコプターに搭乗、都心に着いた。22日午後にはほかの拉致被害者家族らと面会する予定。
記者会見で滋さんは「新しい情報はなかった」、早紀江さんは「一番聞きたい話は知ることができなかった」と述べた。金元工作員からは「(めぐみさんは)絶対に生きていますよ」と励まされたといい、早紀江さんは「勇気をいただいた気がする」とも話した。
夫妻によると、金元工作員は「めぐみさんに会ったのは1回だけ」と話した。会った時期は不明で、めぐみさんが日本語を教えたとされる金淑姫(キム・スクヒ)という女性に「会いに行こう」と誘われ、平壌市内の施設に住むめぐみさんを訪ねたところ、めぐみさんが料理したチヂミを振る舞われたという。
金元工作員はめぐみさんの印象を「座って本を読むなどおとなしく物静かで、猫を飼っていた」と説明。めぐみさんは自分のためにお金を使わず、洋服やバッグなどを金淑姫にプレゼントしていたという。
早紀江さんは「小さいときに猫を拾ってきて小屋の中でミルクをやってたことを思い出した」と懐かしんだ。金元工作員との面会を「夢のよう」とした上で「めぐみと同じ世代。このくらいになってるのかなという思いがした」という。
21日夜の面会は夕食を含め約3時間半。横田夫妻のほか、めぐみさんの双子の弟、拓也さん(41)と哲也さん(41)も参加した。