心理学系雑誌「Psychology Today」では、『Happiness at Work: Be Resilient, Motivated, and Successful - No Matter What』の著者Srikumar Raoさんが、ポジティブシンキング文化が人々に無用なストレスを与えていると述べています。

 この記事によると、ヒトは人生の出来事につい良し悪しを判断しがちだそうで、しかも「良い」と捉えるものよりも、「悪い」と捉えてしまうものの方が3倍~5倍も多いのだとか。そして、「悪い」と判断してしまうからこそ、「この悪いこと、ネガティブなものをポジティブなものに変えなくちゃ」という発想が生まれ、これと格闘することがストレスにつながるそうです。

冷静にご自身の人生を振り返ってみましょう。「うわー、最悪だ~!」と思ったけれど、実はたいしたことではなかった、なんてことありませんか?むしろ、「災い転じて福となす」という展開も、ままあるものですね。この記事では「良い」、「悪い」のレッテルを貼ることを止めることで、ストレスが軽減できると述べています。物事を「悪い」と判断してしまうのではなく、ただあるがままに、客観的に受け入れるのです。たとえて言えば、道路を舗装しようとしたとき、凸凹があるのは「悪い」ことではありません。凸凹のために、何かしらの対処が必要なだけなのです。

この「良し悪し」のレッテル貼りは、無意識にしていることが多いですが、Raoさんによると、意識的に「これをやらない」ということを心がければ、レッテル貼り思考のクセは、徐々に改善されていくものだそうですよ。何かと悲観的に捉えがちなわりに「ポジティブ、ポジティブ」と、日々自分に言い聞かせている方は、この方法を実践してみてくださいね。

Why Positive Thinking is Bad For You [Psychology Today]

Erica Ho(原文/訳:松岡由希子)