米ロイターでは、「ヒトはリラックスしたとき、記憶力が強くなり、持続する」という最近の研究結果を紹介しています。

この研究を行った、カリフォルニア技術インスティテュートのUeli Rutishauser氏によると、脳の回路レベルでの事象と、ヒトの行動への効果との直接な関連性が明らかになったとか。リラックスしたときの脳波「シータ波」が、学習や記憶を形成し、脳の同期を促すそう。つまり、リラックス状態の意識は新しい情報を受け取りやすいというわけです。

 では、どのようなメカニズムで、リラックス状態の神経が記憶アップに作用しているのでしょう?

この研究チームでは、8人の被験者に100枚の写真を1枚1秒のペースで見せました。15分~30分後に、既に見せたもの50枚、新しいもの50枚、計100枚の写真をさらに見せ、最初に見た写真はどちらか?自分の答えにどれくらい自信があるか?を答えさせたそうです。脳電図を使って、神経の活動と、記憶が形成される脳の領域での電気信号を記録したところ、神経がシータ波と同期している間に学習が起こると、認識が強くなることがわかりました。

ロサンゼルスのCedars-Sinai Medical Centerの神経外科医Adam Mamelak氏は、「この研究により学習プロセスにおいて、記憶に関連する神経がシータ波とよく同調したとき、記憶が強くなることが明らかになった」と語っています。

また、この研究チームのメンバーの、カリフォルニア工科大学のErin Schuman氏は、この研究結果を考察し、「リラックスした状態を確保し、脳の状態を最適化すれば、記憶力は改善されうる」と指摘。学習障害は、知覚的な処理とタイミングの欠陥と関連がありそうだとも述べています。

リラックス=休みと捉えがちですが、リラックスすることで脳は効果的に「活動」してくれるようですね。記憶力アップのコツとしては、ライフハッカーアーカイブ記事「記憶力ハック・ TOP10」なども実践的で参考になりますよ。あわせてどうぞ。

Scientists find how relaxed minds remember better [Reuters]

Adam Pash(原文/訳:松岡由希子)